アフリカのゲリラ戦士(人の治癒力)(1998.11)

目を見張る回復力の強さ 使命感に満ち溢れて 医者の力20%、薬の力20%、自分自身の力60% 僅か一週間で胃に孔が空く 健全な肉体は健全な精神から

以前こんな話を聞いたことがある。 日本人の看護婦がJETROの海外青年協力隊か何かでアフリカのさる国へ派遣され、現地の診療所で治療に当たっていた。 ある時その診療所に現地人の若者が負傷して担ぎ込まれてきた。 その若者はゲリラの戦士で、政府軍との戦闘(民族独立闘争)で重傷を負ったらしい。 看護婦が治療を担当していて実感したことは、その若者の目を見張るばかりの回復力の強さであった。日本人の若者とは比べものにならない程の速さで見る見る回復していくのである。 他の現地人と比べてさえも格段に速い。 若者は「一日も速く治って退院し、仲間達と一緒の戦闘に復帰したい」、との使命感に満ち溢れていたと言う。

一説によれば人間の病気の回復は、医者の力20%、薬の力20%、自分自身の力60%と言われている。 看護婦もびっくりする程の治癒力は、若者の何とか速く治りたいと言う強い願望から来ている。

全く反対に、私自身こんな例を身近で見たことがある。 私の職場の先輩が四国の高松に出向で転勤になった。 その先輩は今まで経験したことのない建設工事現場の安全管理を担当することになったが、僅か一週間で体調を壊し入院してしまった。 胃に孔が空いていたそうである。 私も見舞いに行ったが、同じ職場にいた時とは人が変わったように気弱になっていた。 慣れない仕事と、慣れない人間関係に気を使い、強いストレスを受けたのであろう。 「病は気から」の典型的な例であった。

「健全な精神は健全な肉体に宿る」と言われるが、「健全な肉体は健全な精神から」と言う方が正解ではないか。