アホ−アホ、カシコ−アホ、

カシコ−カシコ、アホ−カシコ1998.12

 単に学校の成績の良し悪しで決まるものでは勿論ない ちょっと見がアホでよく見てもやはりアホな人 細かなことばかり立派で大勢的な点がさっぱり見えていなかった あまりカシコ過ぎても面白味がない 永い目で見ていると何時の間にかちゃんとするべきことはし打つべき手は打っている

 

 世間にはいろいろな種類の人間がいる。 アホな人もいれば、カシコイ人もいる。 しかし、アホとかカシコとかの判断はなかなか難しい。 単に学校の成績の良し悪しで決まるものでは勿論ない。 むしろ、学校での成績など殆ど関係ない様にも思える。

 大きく分ければ以下の4種類となる。

 その1 アホアホ。 ちらちらと見ていると、どうもやることなすことが、あまりカシコそうではない人。 初めて合った時以来長く観察しているが「この人はカシコイところが見付からないなー、やっぱりアホやなー」と言う人。 ちょっと見がアホでよく見てもやはりアホな人。 しかし、この種の人には悪人はいないように思うがどうだろうか。

 その2 カシコアホ。 初めて合った時なかなか立派なことを言うので、この人はなかなかカシコい人だと思っていたが、長く観察しているとメッキが剥げてくる人。 見かけはカシコそうな素振りだが、よく見ると中身がない人。 会議の席などで立派な発言をするので、たいした人だなあと感心していると、それは誰か他のひとの受け売りであったりする。 また、細かな点まできちっとした指摘をするので、この人はカシコいなあと思っていると、細かなことばかり立派で大勢的な点がさっぱり見えていなかったりする。 この部類の人は世間に沢山いる。 会社では立派なことを言っていたのに、定年になって名刺の肩書きが取れると慌ててうろうろするのもこの種の人だ。 変に賢い点があるので付き合いにくい場合もある。

 その3 カシコカシコ。 何時見ても何処から見てもカシコいので感心させられる様な人である。 世間には沢山はいない様に思う。 しかし、あまりカシコ過ぎても面白味がない。 人間少しくらい欠点や抜けているところがある方が親しさがあり付き合い易い。

 その4 アホカシコ。 普段付き合っていると、特にカシコい様には見えない。 むしろ、アホなことを言ったりしたりする。 しかし、永い目で見ていると、何時の間にか、ちゃんとするべきことはし、打つべき手は打っている。 会社では運が向かなかったり、上司に恵まれなかったり、学歴が良くなかったりしてあまり出世はしなかったが、息子や奥さんがしっかりしていて、会社を定年で辞めてからも息子の会社を手伝いながら悠々と暮らしている人などは、この種類かも知れない。 会社の経営者の中にも、一寸話をしただけでは、ちっともカシコそうには見えず、どうしてこの人がこんな立派な会社のトップにいるのか、不思議に思う様な人がいる。 中小企業の創業社長の中にもそんな人がいる。 或いは運に恵まれたのかも知れないが、運だけではないカシコイところが有るのに違いない。 例え衣の下に鎧を着けていても、決して鎧を見せない、感じさせない人だ。 こう言う人が本当のカシコイ人であろう。

身の回りの人がどの部類に入るのか、考えて見るのも一興ではないか。