ビッグバン

金融業の自由化 自動車業界の自由化 造船業界

ここ1,2年前から、ビッグバンと言う言葉が盛んに世間で取り上げられる様になった。

金融業の自由化である。 その影響で金融界はてんやわんや、右往左往している。 しかし、一寸考えて見れば分かることであるが、他の業界の自由化は何十年も前から順次実施されてきた。

自動車業界の自由化の際は、巨大なアメリカの自動車メーカービッグスリーに、日本の自動車メーカーは一も二もなくやられてしまう、と言うのが日本の経済界や評論家の先生方の見解であったが、蓋を開けて見れば全く予想外の結果であった。 勿論、自動車業界が血の出る様な努力を積み重ねた結果ではあった。

造船業界などは、かつて世界を制覇していた英国を打ち負かして世界一となり、その後韓国の台頭と円の切り上げで、大きな影響を受け、人員整理や設備の削減、工法の改善など、コストの削減に何十年間も取り組み続け、何とか生き長らえている状態にある。 その努力は文字どおり血の出る様なものであった。

繊維産業しかり、コンピューター産業しかり、数えればきりがない程である。 それに比べれば、金融業はそれら自由化に絶え抜いたメーカーの上にあぐらを掻いて、楽をし過ぎたと言う外はない。 まだまだ努力や苦労、工夫が足りないと言える。 過去の自由化産業の救済にも税金(補助金など)が使われたが、昨今話題になっている銀行救済に使われる税金の額に比べれば微々たるものである。 金融業界はもっともっと身を削って、創意と工夫を続ける必要がある。 所詮金融業など他人の上前をはねて良いめをしてきたのだから。