電話の優先順位2007.8)

電話に直ぐに出る習慣 電話優先はNTTの都合 年賀状を年末の忙しい時に書く 過去の惰性でやっていることに無駄や無理が潜んでいる

 

自宅や事務所で、お客さんや友人と話している時に、電話がなる。 「一寸失礼」とことわって電話に出ると、セールスの電話であったり、どうでも良い内容であったりする。 勿論、時には重要な内容である場合もあるが、電話が鳴れば、何をさておいても直ぐに出ると云う習慣があるが、本当にこれが正しいことであろうか。 そればコールセンターや電話の着信を営業としている場合は別であるが、誰もがいつもそうであろうか。

 

何十年も昔は電話そのものが少なく、電話での用件も当然重要なものが多かったのは事実である。 しかし、時代が変わり、電話機が普及したため、今では電話の用件は不要不急なものが実に多くなっている。 それにも拘わらず「電話優先」はおかしい。

 

「電話優先」がNTTの都合に由来するという説もある。 かつてのNTT(日本電信電話公社の時代、或いはそれ以前)は電話交換設備の容量も十分ではなかったので、電話が掛かってくれば、設備の使用時間を無駄にせず、直ちに出ることを推奨したらしい。 また、電話料金制度から云っても、ベルがなっている状態では、設備が使われるだけで料金はかからないので、早く話しをしてほしい(話しが始まれば料金がかかる)という説である。 何れにしても、電話機、交換機、通信線が不足していた時代の名残りである。

 

予断になるが、年賀状を年末の忙しい時に書くのも同じ事情がある。 郵便局としては年末の早いうちに年賀状を投函してもらえれば、年始は配達だけで済むが、もし、年始に年賀状を投函されたら、収集、選別、配送に大変な手間と費用(年始は当然人件費が高い)がかかる。 だから、「年始に年賀状が届く」ようにと言う理由を掲げて、12月に年賀状を書かせている。 しかし、よく考えて見れば分かるように、年末は忙しいし、第一12月に「新年おめでとうございます」などと、全く空々しいではないか。 本来年賀状は年始にゆっくりと書くべきであり、少々届くのが遅れても良いのではないか。

 

要は、我々が何となく行っていることの中には、本来の理由をよく考えずに、古くからの習慣をそのまま踏襲していることが多々あるということである。 日頃なんとなく行っていることを、「なぜこれをしなければならないか」、是非もう一度再検討して見る必要がある。 電話や年賀状はほんの一例であり、身の回りにはもっともっと大切なことが、見直されずに今日も無駄に行われているのではないだろうか。 過去からの惰性で何となくやっていることに無駄や無理が潜んでいる