発想の飛躍1999.9)

洗濯機でジャガイモの皮をむく 登山靴に花を植える 壁から天井へ鳥が一列に飛ぶ絵

世の中にはいろいろと面白い発想をする人がいる。 普通の人は「洗濯機」と言えば当然衣服を洗うことしか頭に浮かばないが、さる田舎の農家の人は洗濯機をジャガイモの皮むきに使っているのを見た。 ジャガイモを入れて洗濯機を廻すと、ジャガイモがお互いに擦れ合って上手く皮が剥けるのである。 また別の主婦は洗濯機で子供の運動靴を洗うのに利用していた。 布製の靴は結構きれいになるものだ。 

電子レンジはレーダー用の電波発振器からの応用で開発されたが、便利な調理器で広く使われ、「チーンする」と言う言葉がすっかり日本語に定着した。 ところが、猫の毛を水で洗った後、乾かすために電子レンジに入れ、猫を死なせてしまった女性がいるそうだ。 その上その女性は電子レンジのメーカーを損害賠償で訴えたと言うから、この発想には少しばかり首を傾げたくなる。

活花の器や植木鉢にもいろいろなものが使用されるが、古ぼけた登山靴に花を植えているのを見たことがある。 相当使い込んだ茶色の皮の登山靴の紐を緩めて足首の部分を拡げ、中に土を入れて小さくて可愛い花を植えていた。 その取り合わせが何とも奇抜で、思わず微笑んでしまった。

 スエーデンの病院(カロリンスカ病院)に行った時、白い部屋の壁から天井にかけて斜めに鳥が一列になって飛んでいる絵が画かれていたのを見た。 ベッドに寝ている患者が寝たままで、空を飛んでいく雁の一群を見られる様になっていた。 また、小児科の待合室の壁には、子供向けの楽しい童話の絵が画かれており、子供の気持を和らげる様になっていた。 部屋や廊下の内装にも、患者に安心感を与えるこんな工夫がされていて、日本でも見習ったら良いのにと思ったものだ。

仕事の面でも私生活の面でも何時も「普通の発想」ではなく、時には少々突飛に思える発想をしてみるのも、現状打破の意味から面白いのではないか。