不景気2000.7)

開闢以来の繁栄を謳歌 日本はまだまだ天国 GDPの絶対値は格段に大 相対的な判断 人々は幸福に暮らせていた 比較の対象を変えるだけで考え方が変わる

 

今の世の中、日本中何処へ行っても不景気不景気の大合唱である。 しかし、見方を変えれば、 世界経済に占める日本のシェアが15%を超える現状は我が国の歴史にないことであり、今の日本は将に開闢以来の繁栄を謳歌していることには変わりがない。 不景気と言いながら誰一人飢え死にした者はいない(ただ、失業率が4%を少し超えてきたのが気がかりなことではある)。 世界的にみても、好景気の真っ只中にあるアメリカを除けば日本はまだまだ天国の様な憧れの国である。 そのアメリカでさえも、貧困層が増えており決して天国と言える様な状況ではない。 日本が天国に見える証拠に、今もなお密入国の外国人が絶えない。 命の危険を冒してでも、彼等にとっての大金を借金してまで多くの外国人が大不況の日本への密入国を目指しているではないか。

たった数%GDPが下がったと言って大騒ぎをしているが、ほんの10年前のGDPと比べれば、GDPの絶対値はまだまだ格段に大きいわけであるから、今はわずかなことで大変だ大変だと大騒ぎし過ぎている。 不況対策のために何兆円もの支出が計画されるが、それはせっかく納まった無意味な消費や、不要不急の公共投資を再開し、環境問題にも良い影響をもたらさず、ごみの生産拡大となる可能性が高い

何を判断するにも近視眼的で相対的な判断に片寄り過ぎているのではないか。 3年前と比べて給料が減ったとか、自分の周りの人間と比べて自分の給料が少ないとか、総ては身近な周囲を見ただけの相対的な判断しか出来なくなっている。 自分が生きていく上で何ら困ることがなくても身近な比較からすぐに不満が出てしまう。 単に身近な比較ではなく、広く世界の状況を見渡し、また同じ日本でも100年500年前の状況を考えて見ればよい。 今大不況の日本より、物質的には格段に恵まれていない時代にあっても、人々は幸福に暮らせていたではないか。 にもかかわらず、物質的には十分に恵まれている今、未だ不足を言うのはどう言うことか。 比較の対象を一寸変えるだけで、考え方が大きく変わるものだ。 青い鳥の物語ではないが、幸福の鳥が目の前にいてもその気にならなければ何も見えず、遠く離れた所に青い鳥がいるといって羨ましがっている様なものだ。