1日の時間1999.9)

同じ24時間が或る人にとっては長く或る人にとっては短い 一日は短く、一年は長い

 

1日は総ての人にとって、24時間である。 大人も子供も、日本人も外国人も、忙しい人も暇な人も、昔の人も現代の人も、総て同じである。 しかし、同じ24時間が或る人にとっては長く感じ、或る人にとっては短く感じる。 また、同じ人でも或る時は長く、或る時は短く感じる。

一般に忙しい時は短く感じ、暇なときは長く感じる。 また、楽しいことをしている時は短く感じ、いやなことをしている時は長く感じる。

1日だけではなく、1年についても感じ方が違ってくる。 子供の時は遊んでいると1日があっと言うまに過ぎてしまうが、1年はとてつもなく長い。 例えば、夏休みを過ごし新学期が始まった時、次の年の夏休みは遥か彼方の遠く先のことに感じられる。 一日は短く、一年は長い

一方年を取るに従って、1年が短く感じられる様になる。 例えば、慌ただしい年末が過ぎて正月を迎えたと思うと、あっという間に次の1年が過ぎて、また年末がやって来る。 1日も短いが1年も短い

或るお年よりは「1日中することがないので、1日が長い」と言う。 しかし、「1年はあっという間に過ぎてしまう」とも言う。 この人にとって一日は長く、一年は短い

一般に、子供、成人、年寄、と進むに従い、子供の頃の「1日が短く、1年が長い」から、成人して「1日が短く、1年も短い」に変わり、やがて年老いてすることがなくなると「1日が長く、1年が短い」になって行く。 

しかし、元気でやる気があり、好奇心の強いお年寄は「1日が短く、1年も短い」成人の状態がずっと続き、「1日が長く」ならない。 これが望まれる充実した人生であろう。 そんな人生を持つために、気持を若く保ち、いろいろなものに興味を持ち、興味を持ったものに挑戦し続けたいものだ。

いろいろなものに興味を持ち続けるかどうかで、年を取るに従い肉体的精神的に大きな差が出てくる。 会社に同期で入社した若者も、30歳では肉体的精神的にあまり大きな差はないが、40歳ではかなりの差がつき、50歳ではその差が益々拡大して、本当に同期生なのかと疑うほどになる。

また、ある人は会社を定年退職すると同時に、何もすることがなくなり、肉体も精神も急速に年をとるが、別のある人は会社を定年退職した後、十分な自由時間を獲得し、自分の好きなこと(趣味であったり別の仕事であったりするが)に熱中して、肉体的にも殆ど衰えを見せず、精神的には返って若返ることさえある。

総ての人が同じ1日の時間を持ちながら、その過ごし方によって長い間に、肉体的精神的にそれ程大きな差が出て来てしまう。

 

1日に2回あり、1年に1回しかないものは何??

 

「ち」の字   「いちにち」 「いちねん」