人生の目的2007.6)

生きる目的を持つ人は幸せ 大部分の人は明確な目的を自覚しない 人には誰も連綿と繋がった祖先がある 先祖から受け継いだ命を次世代に引き継ぐ 自分の命が子や孫の中に生存

 

 人に「貴方の生きる目的は何ですか」と問うて見る。 プロ野球の選手は「自分は野球をするために生まれてきた」と言う。 ノーベル賞を受賞した科学者は「私の人生はこの研究が総てです」と言う。 また或る経営者は「仕事こそが自分の生きがいだ」と言う。

 このようにはっきりとした「生きる目的(人生の目的)」を持っている人は幸せである。 しかし皆が皆、このように明確な目的を持っているわけではない。 むしろ私も含めて大部分の人達は、それほど明確な目的を自覚していないだろう。 それではその大部分の人達は何のために生まれ何のために生きるのだろうか。

 

人には誰も父母がおり、その父母にはまた夫々の父母がいる。 人には誰も連綿と繋がった祖先があり、その先端に私達がいる。 私には3人の子供がおり、その先に4人の孫がいる。 私が先祖から受け継いだ命を、次世代に引き継いでいる。

若い時にはそんなことは全く感じることがなかったが、孫を持つ年代になって、自分の子供や孫を見た時「ああ、自分の命が子供や孫の中に生きているなあ」と言う実感を持った。 仮に自分が1年後に死んでいなくなったととしても、自分の命が、自分の分身が、子供や孫の中に確実に生存していることを実感することができる。

 

この実感から、自分が生きる最大の目的の一つは「先祖から受け継いだ命を子孫に引き継ぐ」ことに違いないと確信した。 勿論それ以外にも、人それぞれに違った「生きる目的」があるだろうが、「命を引き継ぐ」ことが、人間に共通の最大の目的であるように思う。

私は既に最大の目的を達成したので、何時死んでも未練はないし、「死」に対する恐怖がなくなった。 勿論、健康で長生きできればそれに越したことはないので、今後は自分の好きな生き方で、もう一つ別の目的を追い求めたいと思っている。