子供は3人持て1999.8)

複雑な人間関係を体験して育つ 1人または2人の子供が頼りになる確率は 97%

 

最近は少子化の問題が話題になっているが、日本全体の高年齢化問題や若者の晩婚化の一環として少子化が取り上げられることが多い。 高年齢化問題を解決するために晩婚から早婚を奨励し、少子から多子を奨励しているわけだ。 国全体としてはともかく、個人として、家族としては子供は何人が良いのか考えて見たい。

私の答えは3人である。 その訳は次の2つ。

1)一つの家庭に子供が3人いると子供たち相互間の人間関係が複雑になり、将来その子供たちが社会に出てからの人間関係に良い体験となる。 1人の場合はその家庭内では子供と親との関係しか存在せず、同じ年代の子供同士の人間関係は家庭外でしか経験できない。 2人の場合はどうか。 上の子供対下の子供と言う1対の関係のみが存在する。 これでも1人の場合よりは勿論ベターではあるが3人に比べれば単純すぎる。 では上、中、下の3人の場合はどうか。

我が家の子供たちの成長過程を見ていて発見したことは、先ず1人対1人の関係で、上対中、上対下、中対下、の3対の関係ができる。 次に1人対2人の関係で、上の子に中の子と下の子が組んで対抗する場合、中の子に上の子と下の子が組んで対抗する場合、下の子に上の子と中の子が組んで対抗する場合、の3対の関係ができる。 合計6種類の組み合わせができ、1人、2人の場合に比べて人間関係がぐっと複雑になる。 子供にとって一番身近な家庭と言う社会の中で、そんな複雑な人間関係を体験して育つことは、家庭外でのより複雑な人間関係のための貴重な予行演習となる。

2)上記は子供の立場で見た場合のことであるが、親の立場からはどうであろうか。 子供がいてもいろいろな理由で、その子供が不在になることがある。 成長して仕事に就き親元を遠く離れてしまう場合、病気や交通事故で一人前の人間とは言えない状態になる場合、何らかの人間関係で親子の関係が絶たれてしまう場合、などが世の中には現実に起きている。 仮にそんな理由で一人の子供が不在になる可能性は10分の3と考えて見よう。

子供が1人しかいない場合は30%の確率で子供が在りながら、現実にはいないのと同じ状況に置かれることになる。 言い換えれば頼りになる確率は70%である。 子供2人の時はどうか。 子供が2人共不在になる可能性は 0.3の2乗であるから、どちらか1人でも頼りになる確率は1−0.3の2乗 = 91%である。 子供が3人の時はどうか。 子供が3人共不在になる可能性は 0.3の3乗であるから、1人または2人の子供が残って頼りになる確率は1−0.3の3乗 = 97%となる。 100%は有り得ないことだから97%なら良しとすべきであろう。

本当は事情が許せば4人、5人と多いに超したことはないが、現在の社会情勢からすれば3人がベストであろう。