交通法規は天下の悪法(2002.5)
道路交通法違反者 約300万人がスピード違反
交通法規を100%遵守したとしたら 交通違反は犯罪 法律の罠に自分で引っかかる 死傷者数の増減で警察官や公安委員のボーナスを増減させる 日夜安全確保に神経をすり減らす
日本では道路交通法違反者が年間800〜900万人もいる。 その数はここ10年来あまり変化はないそうである。 その3分の1約300万人がスピード違反(信号無視を含む)、更に3分の1約300万人が駐停車違反(一次停止を含む)である。 この数字は運悪く捕まった人の数に過ぎず、実際の違反者はこの何倍にもなることは、運転経験者ならよく知っている実態である。 数字が変わらないのは、警察官の数と能力から、この程度しか捕まえられないと言うのが実状ではなかろうか。 或いは、取締まりの検挙数のノルマが達成されるレベルでほどほどに留めているのであろうか。
もし仮に、日本中の運転者がスピード制限を始めとする交通法規を100%遵守したとしたら、交通事情はどういうことになるのだろうか。 実状に合わないスピード制限を瞬時も超えることなくゆっくり走り、黄信号が見えれば確実に停車し、交差点の内では直ちに停車できるよう必ず徐行し、電車のこないことが分かりきっている踏切りでも必ず一旦停止して左右を確認する。 順法精神を発揮してこれらを励行すれば、都市の交通はどういう状況になるのだろうか、想像もつかない。
一方、道路交通法違反と言えども立派な??法律違反であり、犯罪者であるが、運転者の殆どは罪の意識などなく、捕まらなくて普通、捕まったら「ちくしょう、今日は運が悪かった」と言うだけである。 一般の国民は交通違反は犯罪とは思っていないが、お役所(公務員)の考え方は違う。 かつて私の知人は国からの表彰(勲章)を受けるに当たって、何段階かの審査を通ったのだが、最終段階で落ちた。 その理由が何と道路交通法違反(たった1回の駐車違反)であった。 犯罪者には勲章は出せないと言う訳だ。
一方、スピード違反で全国民が潜在的犯罪者になっていると言うのに、警察官、検察官、公安委員、裁判官など「法律の番人達」は勿論のこと、政治家さえも何もしない。 真面目に考えると、こんな馬鹿なことはあってはならないはずであるが、彼等は誰も自分が捕まらない限り真剣に考えない。 だが彼等も一度自分で車を運転すると、確実に交通違反をする。 たまたま運悪く自分が捕まった時は、犯罪者になると困るので(公務員は犯罪者になると首になる??)慌てて揉み消そうとする。 時々それがばれて新聞ざたになる。 新聞で出てくるのは氷山の一角で、実際の揉み消しはその何倍もあるだろうことは周知の事実である。 自分で守れない法律の罠を仕掛けておいて、その法律の罠に自分で引っかかっているようなものである。 何と愚かなことか。
ついでに言えば、年間の交通事故による死者は9000から1万人、負傷者は80〜90万人いる。 毎年毎年1万人の人が確実に死ぬ。 それでもこれと言った目新しい対策は立てられていない。 毎年の交通安全週間には、有名人を1日警察署長に仕立ててビラなど配っているが、そんなものは何の役にも立たないことは皆が分かっていながら、何もしない訳にはいかないから、意味のないことをしてお茶を濁しているのが実状である。
何と侘びしいことか。
何十万人の死傷者が出ようと、法の番人達は痛くもかゆくもない。 死者が増えたからと言って給料が下がることはないし、勿論ボーナスに影響することもない。 もし、年間の死傷者数の増減によって、交通関係の警察官や公安委員のボーナスを増減させるとどんなことが起きるだろうか。 一度試して見る価値があると思うのだが。
因みに、工場や事務所における労働災害は、年間の死者約2000人で、近年減り気味の傾向にある。
しかし、このためには労働安全関係者を始め多くの企業内管理者、監督者は日夜安全確保のために神経をすり減らす程の努力を払っているのだ。
警察や交通関係者は企業内の管理・監督者の努力を少しでも見習ってほしいものだ。