日本語を話さない外国人1999.8)

日本で日本人が外国人に合わせる必要はない 親切とビジネスは区別

 

以前私の職場に或る日本人の商社マンがイギリス人の技術者を連れて商品の売り込みに来た事がある。 私は自分の配下の技術者と一緒に説明を聞くことにした。

商社マン:「商品の技術的なことは自分は分からないのでイギリス人技術者に説明させ ます」 と言う。

私 :「結構です」 と。

ところがそのイギリス人は英語で説明を始めた。 そこで私は日本人の商社マンに

私 :「貴方が日本語に訳して我々に説明して下さい」、とお願いした。

商社マン:「技術的な話でもあり自分には訳せません」、と言う。

私 :「それはおかしい。 私が海外出張して外国で説明する時は、必ず英語で話すか、英語 が通じ難い国では、通訳を手配してその国の言葉で説明をしている。 それが外国でのビジネスのエチケットです」。

商社マン:「わかりました。 改めて通訳を連れてきます」。

日本人が海外で彼らのやり方に合わせるのは良いとして、日本で日本人が外国人に合わせる必要はない。 日本国内で、仕事の上で外国人と話をする場合は基本的には日本語でするのが正しいやり方だ。

ただし、ビジネスではなく、個人的な場面で、日本に来た外国人が漢字が読めず困っているような時に英語で助けてあげるのは、全くの親切であり大いに手助けをしてあげるべきだ。 親切とビジネスは区別して考えた方が良い。 特に後々のために議事録を残す重要な打ち合せの場合など、日本語で書く方がわらわれ日本人にとってはるかに有利である。