親孝行2000.5)

何千年続いた親子の関係 身体髪膚これを親に発す 心身共に健康であることが親孝行 交通事故で1万人、自殺で2万人 次の世代に引き継ぐ

 

人によっては、今や「親孝行」と言う言葉は死語になってしまった、と思っている様だが、何千年続いた親子の関係が、そう簡単に変わるものではないと私は思っている。

身体髪膚これを親に発す」と言う古い言葉がある。 自分の体は総べて親から受け継いでいる。 更に親はその親から受け継いでいる。 更にその親は・・・と言う具合に、総ての人は先祖から順々に繋がっていると言う意味だと解釈している。

その先祖代々受け継いだ大切な体を、傷付けず、病に侵されない様にすることが親孝行の第1歩である。 「親孝行はこうあるべし」などと大上段に振りかぶる必要はない。 先ず第1に、心身共に健康であることが即ち親孝行だと思う。

現在の日本では医療や健康管理が良くなり若くて死ぬことは随分少なくなった。 それでも毎年、交通事故で1万人、自殺で2万人の人が亡くなる。 この中には若い人も含まれている。 こんなことで親より先に死ぬことは親不幸の第1である。

親としては何としても、子供が自分より先に死ぬことのない様、健康でいてほしいものである。

私自身もう60才を過ぎている。 両親共に見送ったし、3人の子供も成人しているので、勿論健康で長生きしたいと希望はしているが、何かのことで何時死んでも特に心残りだとは思っていない。 最初に記した様に自分の体は既に子供達に引き継がれているのだから。 先祖から受け継いだものを「次の世代に引き継ぐ」と言う、第1の役目は曲がりなりにも果たしたと思っている。

親孝行、したい頃には親はなし、さりとて墓にふとんは着せられず。