政治家は危険な職業
(政治と司法)その2(1998.11)

政治家は金が掛かる 金を使わずに当選するのは難しい 政治家には敵も多い 1000人にも満たない中から2,3年毎に逮捕者が出る 政治家は危険な誘惑に満ちた職業 政治は本来世のため人のために働く立派な職業

 

つい先日も国会議員逮捕事件のニュースが新聞を賑わした。 国から支給された「政治活動への補助金の流用」と「うその報告」が発覚したのだ。 議員とその秘書の仲間割れが報道されていたから、多分議員周辺からの漏洩であろう。

政治家は金が掛かる。 直接の政治活動以外に、各種の寄付も要請される、格好を付けるために高価な服装や外車の一つも欲しくなる、地元の有権者が尋ねてくれば昼飯の一つも出さねば後々ケチと言われるだろう。 有権者の方にも少々は「たかり」の気持ちがあるのではないか。 金を使わずに当選するのはなかなか難しい。 金を集めるためには、ついつい危ない橋を渡ることになり勝ちだ。

一方、政治家には敵も多い。 同じ政治家のライバルもいるし、一種の妬みからくる敵もいる。 幸か不幸か日本の司法は有能な役人が沢山いるし、罪作りな法律も山ほどある。 その気になって調べれば、法律違反の1つや2つは直ぐに見つかるだろう。 詳しく調べたわけではないが、2,3年毎には国会議員の逮捕者が出ている。 国会議員は衆議院、参議院合わせても750人、1000人にも満たない数の中から2,3年毎に逮捕者が出ると言うことは大変な数ではないか。 仮に従業員1000人の会社にあるとして、2,3年毎に社員の中から逮捕者が出るなど凡そ考えられないことだ。 近くの町内を取ってみても、1000人程度は狭い範囲だが、そんな狭い範囲の町内から逮捕者が出るなどと言うことは、何十年に一度の珍しい大事件だろう。

そんなことを考えていくと、今の政治家が如何に危険な誘惑に満ちた職業であるかが分かる。 政治は本来、世のため人のために働く立派な職業だ。 そんな崇高な職業が危険に満ちていると言うことは、何かが間違っているのではないだろうか。 政治家が金のことなど考えずに国政や外交に専念できる社会システムを創設する必要がある