世界の宗教2007.6)

ユダヤ教、キリスト教、回教は同根 “give and take” の関係 ”give and give” の関係 開祖であるキリストやマホメットが見ればどう思うか

 

 

現在世界中で信仰されている宗教には、仏教、キリスト教、回教、ヒンズー教、ユダヤ教、などがあるが、同根のものもある。 特にユダヤ教、キリスト教、回教は同根であり、教義的にも一神教で、最も近いにも関わらず争いが絶えない。 特に、エルサレムを中心とした中近東地区では、宗教観の対立がその地域の紛争の種になっており、それが原因となって、世界中でテロの不安の種となっている。

 

一神教の教義では神が絶対であり、神と信者の関係で言えば、神と信者が契約を結び、神が信者に保護を与えるかわりに、信者は神の命令に従うことを誓う。 その意味では、神と信者は “give and take” の関係ではないかと思う。 

それに較べて仏教は”give and give” の関係と言えるのではないかと思う。 絶対神はおらず、人々が幸福な生活に至る基本を説いている。 神(仏陀)が信者に救いを与え、信者からは何も見返りを求めない。 

 

キリスト教や回教が成立した当時のように、統治者と国民の関係が”take and take” (国民から見れば “give and give” )の関係であった情勢下では、国民は “give and take” の関係でも満足したかも知れないが、現代のように統治者と国民の関係が “give and take” (国民は税民を払い政府は各種のサービスを提供する)の関係下では、神は “give and give” (信者から見れば “take and take” )で丁度良いのではないかと思う。

 

しかし、今の仏教は僧侶の活動が不活発で、事実上葬式宗教になってしまっている。 お釈迦様は日常生活での悩みを解決し、幸福を求める行動規範を説いておられるのに、残念ながら、現在はそんな活動が殆んど見られない。 それどころかお経の文言そのものが我々には全く意味不明で、何を説いているのかさっぱり分からない。 有名な般若心経を暗記している人は沢山いるが、内容を理解している人は極めて少ない。

 

どの宗教にも宗派があり宗派間での対立がある。 キリスト教でも宗派間で争い、戦争までしている。 日本の仏教でも宗派間の争いはあるが、戦争までしたという話は聞かない。 イラクでは回教徒の自爆テロが毎日のように頻発している。

そのような現状を開祖であるキリストやマホメットが見ればどう思うであろうか。 原点に立ち返って、開祖さまならどう考えるか、どんな行動をとるか、それを考えれば、自ずと答えが得られると思う。 開祖さまが宗派間で対立するか、自爆テロを奨励するか、立派な法衣を愛用するか、壮大な住居(寺院)を建てるか。