専門家2007.7)

彼等の言うことを鵜呑みにしてはいけない 真髄は簡潔 難解であるかのように、素人に理解し難いように説明 英国ソールスベリー卿 常識と言う水で薄めなければなりません

 

 世の中には専門家と呼ばれる人達がいる。 いろいろな場面で「専門家」が専門的な話しをするが、彼等の言うことを鵜呑みにして信用してはいけない。 最も気を付けなければいけないのは、「自分は素人だから、言っていることはよく理解できないが、専門家の言うことだから、正しいのだろう」、と思って信じてしまうことである。 世の中には2種類の専門家がいる、「本ものの専門家」と「本ものらしく見えるが、本ものではない専門家」である。

 

「本ものの専門家」は、自分の専門分野のことを、例えそれが難解なことであっても「素人に理解できるように平易に説明」してくれる。 難解なことであっても、その真髄は簡潔であり、その真髄を理解している人は、それを分かり易く説明できる。

 

一方、「本ものではない専門家」は、例えそれが簡単なことであっても、自分が完全には理解していないので、「難解であるかのように、素人に理解し難いように説明」してくれる。 そのほうが、自分が立派な専門家であるように聞こえるからかも知れない。

 また、「本ものではない専門家」は、往々にして、自分では内容を十分に調査・確認せずに、他の高名な専門家が言っていることに同調して、同じ意見を言うことがある。 同様に、素人が言っていることだからと言う理由で、自分では内容を十分に調査・確認せずに、素人の言うことを間違いだと答えることがある。 素人の常識的な判断が、時には専門家の難解な意見より正しいことがある。

 

 1877年 英国ソールスベリー卿(枢密院議長?)から、当時のインド総督リットン卿へ出した書簡の中にこんな言葉があるそうだ。

医者の言うことを信じれば、総てのことが健康に悪いことになります。 神学者の言葉を信じれば、この世に罪の無い者など存在しません。 軍人の言葉を真に受ければ、何もかもが危険です。 彼等の言葉は強いワインのようなものです。 無味無臭の常識と言う水で、大幅に薄めなければなりません