本当の真実1999.8)

地動説と天動説 一夫一婦制と一夫多妻制 場所と時間のパラメータを変化

 

世の中には、正しいと思うことが間違っていたり、間違っていると思うことが正しかったり、嘘と思っていたことが、本当であったり、本当と思っていたことが嘘であったり、と言う様なことがあるものだ。

例えば、かつては地面は平らであり不動である、太陽や月は東の地の果てから出て、西の地の果てに沈み、夜のうちに地下を通って東に戻る、と言う地動説が正しいと永い間信じられてきた。 しかし、この地動説は間違いで、逆に間違いと思われていた天動説が正しいと言うことになった。こんな事は科学の分野ではいくらでもある。 戦争などがあって世の中が大きく変わった時などにも、この種のことが起きるものである。

別の言い方をすると、ある時代に正しいとされていた事柄でも、時代が替わると正しくないと言うことに代わるわけである。

また、キリスト教の世界では、一夫一婦制が正しい夫婦の形とされているが、回教徒の世界では、一夫多妻制も認められている。 これは、同じ時代であっても場所が変わると同一のことが、正しかったり正しくなかったりする、と言うことになる。

従って、ある時点のある地点で正しいことが、必ずしも本当の真実とはいえないことになる。 我々の身の回りのことでもよく気を付けて見直してみる必要がある。

そこで、ある事柄が本当に正しいことか、そうでないか、間違っているか、間違っていないかを見分けるためには、どうすれば良いだろうか。

その事柄に関して場所と時間のパラメータを変化させてみるとよく分かる。 その事柄が洋の東西を問わず真実であり、且つ、過去から現在までいつの時代にも真実であったならば、それは「本当の真実」であると言える。 もし何時かの時代に、或いは何処かの国で真実でなかったならば、それはたまさかの真実であり、何時真実でなくなってもおかしくないと言える。 

要は、世間で真実と言われていることが、「本当の真実」か「仮の真実」であるのかよく見極める必要があると言うことである。 決して仮の真実に惑わされてはならない。