地球と人間、常識を疑え1999.8)

カナダの森と湖 シベリアの雪と氷 地球上は人で満ち溢れる

 

飛行機の窓から地上を眺めることがある。 上空から見る日本列島は大部分は人がほとんど住んでいない山である。 それでも目の届く範囲のどこかに人が住む街が1つや2つは見えるものだ。 それが夜の場合、電灯のあるなしでもっとよく分かる。 アメリカへ行く途中カナダの上空を飛んだことがある。 ジェット機で1時間飛んでも殆ど景色の変わらない様な所がある。 森林地帯が延々と続き、その間に湖が点在する。 森と湖ばかりで人のいる気配はまったくない

同じくヨーロッパからの帰路シベリアの上空を飛んだことがある。 雪と氷に覆われた大地が延々と続く。 地球ができて以来、人の手が一度も加えられたことがないのではないかと思われる様な景色である。 規模はもう少し小さいがこれと似たような土地が他にも多々ある。 地球上の人口は50億とか60億とか言われるし、東京や大阪を歩いていると、地球上にはどこも人で満ち溢れているような感じもするが、本当はそれは地球上のごく一部の話で、人の住んでいない場所の方がずっと広いと言える。

結局人間は、一部の例外を除いて、寄り集まってしか活きられない習性がある様に思われる。 大都会の高層マンションがその象徴である。 まだがらがらの中国大陸がありながら、香港の高層住宅群がそうだ。 アメリカと言う広大で過疎な大地がありながら、ニューヨークの摩天楼の密集がそうだ。

しかし、地球は住み様によっては、まだまだ沢山の人間を養うことができる。 地球はもう満杯と言うのが常識のように言われているが、それは単なる一つの見方に過ぎない。 世間の常識とか、社内の常識とかいわれるものも、そのまま鵜呑みにしてはいけない。 常識も疑ってみる必要がある。