登山に学ぶ1999.8)

汗をかいた後に頂上に立つ爽快さ 一歩一歩の積み重ねが大きな成果になる 人間一日で幾つもの山を越えて歩ける

 

山歩きが好きで、土日や休暇を利用しては中間達と山を歩き廻った。 近くでは六甲山や三田近郊の山々、大阪、奈良の金剛山や大台ケ原、淡路島の諭鶴波山、四国の石槌山、長野県の日本アルプスの山々、富山県の立山、島根県の大山、などなど懐かしい思い出の山々である。

山歩きの経験から学んだことが2つある。 1つは、汗をかいた後には頂上に立つ爽快さがあること。 もう1つは、小さな一歩一歩の積み重ねが想像以上の大きな成果になることである。

荷物を背負って坂道を登るのは本当にしんどい。 楽な道を歩いている時や、体が疲れていない時は良いのだが、坂がきつく疲れてくると、歩きながらなぜこんなしんどいことをする必要があるのか、何の得もないし人に頼まれた訳でもないのに、と思うことがしばしばある。

しかし、それを我慢しながら唯もくもくと歩く。 もう少し行けば休憩できるからとか、その内必ず目的地に着いて弁当が食べられるからとか、あと2キロ歩けば尾根道に出られる、そうすれば涼しい風も吹いてくるし眺めもぐっと良くなるからとか、自分自身を慰め、騙しながら一歩を進める。 そしてついに頂上に着く。 その時の気持ち、達成感は、経験した者にしか実感できない何とも言えない爽快さである。

そんな時、頂上から自分の歩いてきた道を振り返ってみると、今日一日で何と遠い道のりを歩いてきたことか。 今朝の出発地点が、それはそれは遥か彼方に霞んで見える時がある。 それは自分でも信じられない程の道のりである。 こんなに小さな一歩が百歩となり、千歩となり、万歩となり、何万歩にも積み重なってこの距離となるのである。経験した人でないと理解し難いが、人間一日で幾つもの山を越えて歩けるのである。

「継続は力なり」と言う言葉があるが、この言葉を体で実感させてくれるのが山歩きである。