上見て進め、下見て暮らせ1999.8)

上には更に上がある 下には更に下がある 贅沢をすればきりがない

 

世の中、上には更に上があってきりがない。 会社で言えば平社員の上に係長がおり、その上に課長がおり、部長がおり、取締役がおり、社長がおり、その上には株主もいる。 100万円の金持ちの上には、1000万円の金持ちがおり、その上には1億円の金持ち、10億円の金持ちと、金持ちにもきりがない。

下には更に下があってこちらの方もきりがない。 一月3万円で暮らす貧乏人もいれば、その下には毎月借金しながら暮らす人もいる。 公園で暮らす日本のホームレスより、インドの乞食はもっと貧乏かもしれない。 籠に乗る人、担ぐ人、その又わらじを作る人、とも言う。

それでも人間少しでも立派になろうと努力をする所に価値がある。

一方、贅沢をすればきりがない。 自分より下の生活があると思って暮らせば不満も少ない。

お金に余裕ができて、生活レベルを上げるのは簡単だが、収入が減ったからと言って、一旦上がった生活レベルを下げるのは極めて難しいし苦痛を伴う。

そこで、古人曰く「上見て進め、下見て暮らせ」と。 あまり贅沢をせず、しかし、常に向上心をもって暮らせと。