外国人と日本人1999/7)(2007.8)

誠心誠意付き合えば信頼し合える人間関係が築ける 同じ人間同士共通点も沢山 家族の写真 世界共通の良い話題 アメリカ人という人種はいない

 

仕事の上で幾つかの国の人達と付き合う機会があった。 中国人、インド人、イギリス人、アメリカ人、メキシコ人、スイス人、など。 勿論同じ国の人間でも随分違いがある、同じ日本人でも大きな違いがある様に。 しかし、何となくその国の人達の共通点の様なものも感じられる。

「中国人は信じられない」という人もいるが、私は義理堅い人種である様に感じた。 インド人は議論が好きで、個人個人としては頭の良い人が多かった。 イギリス人とは余り打ち解けた付き合いは出来なかった。 アメリカ人は開けっぴろげで明るい性格の人が多く、親しみのもてる人達であった。 メキシコ人はのんびり屋が多く、日本人的真面目人間は少ない様な気がする。 スイス人は真面目でかっちりとした性格の人が多い様に思う。 その様に夫々の国によって特徴はあるものの、誠心誠意付き合えば、信頼し合える人間関係が築けることには違いがない

どこの国にも誠意の通じない人がいるのは、日本でも同じ事情であるが、協力し合って仕事を進めていける人が多くいることも事実である。 その証拠に、上に挙げたどの国の人達とも一緒に仕事をし、無事所期の目的を達成することができたのだから。 日本人同士での場合より、協力し合えるまでに少々時間は掛かったが、それは初対面ではお互いに何処の馬の骨だか分からないのだから、やむを得ないことであろう。 時間をかけて、お互い共通の仕事上の目的に向かって努力をしていることが理解できれば、人間的にも概ね理解し合えることになる。 同じ人間同士、共通点も沢山あるものだ

海外で仕事をする時、家族の写真を持っていき、何かの機会にそれを種に子供や妻の話をすると、殆どの場合短時間で親近感を持てた経験がある。 これなど世界共通の良い話題である。

何よりも、「何々人」とひと括りにすること事態が妥当ではない面がある。 例えば、「中国人」は、少数民族も含まれるが、漢民族が大部分であり、彼等は数千年にわたって、共通の文字、食物、生活習慣、などを持って中国で暮らしてきた。 そのため、漢民族としてある種の共通の特徴がみられる。

日本人は中国人以上に純粋で、90%以上の日本人は、親兄弟を含めて、先祖代々何千年も日本に住み続けてきた。 そのため、日本人に共通した言語、食物、生活習慣、思想、などを持っており、日本人種としての共通の民族性を持っている。

イギリス人、フランス人、イタリア人、なども程度の差はあるが、その国の主流となる人種を構成する人達がいる。 インド人は国土が広く、多くの民族で構成されるが、やはりその土地に先祖代々住んで、共通の価値観を持った人達がいる。

一方、「アメリカ人」には、漢民族や日本民族に相当する民族はいない。 ネイティブアメリカンと呼ばれるコロンブス以前から北米に居住していた人達はいるが、今や少数民族である。 WASP(白人、アングロサクソン、プロテスタントの条件を満たしている人達)としてアメリカ人の主流を自認する人達もいるが、彼らが北米に来たのはせいぜい2、300年程度以前のことであり、先祖代々北米に住んでいた訳ではない。 勿論、数も少ない。 アメリカ人の大部分はヨーロッパ、アジア、アフリカから移住してきた人達であり、アメリカ人という人種はいない。 カナダ人、オーストラリア人、ニュージーランド人も同じで、そんな人種は存在しない。 この点は日本人や中国人などと、「国民」の意味が根本的に異なるので、「国民」として同じ捉え方をすることはできない。